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アナボリックステロイド (Anabolic Steroids)

アナボリックステロイドは、テストステロン様の構造で筋肉増強剤として使用されている。このステロイドには、男性ホルモンとしての役割(胚の成長・分化への作用や思春期のテストステロン濃度の上昇)と、同化作用(筋肉中のタンパク質合成・血球の生成・性機能の形成)がある。

通常は、テストステロンを経口摂取しても肝臓で分解されて血液中に入ることはないが、化学合成によって得られる誘導体の中には分解されずに血中に入り、タンパク質同化作用を示すものがある。

テストステロンの作用

1. 合成~循環~膜通過

 テストステロンは睾丸で合成されて血液によって身体を循環する。ほとんどのテストステロンは血清アルブミンの中に弱く結合した状態で存在しており、細胞膜に近づくと脂質膜を直接通って細胞内に入る。

PDB image
1D2S - Transport Protein
Crystal Structure Of The N-Terminal Laminin G-Like Domain Of Shbg In Complex With Dihydrotestosterone
リガンド:CA|DHT

2. 酵素による変換

 細胞内に入ったテストステロンは、細胞内の酵素によって活性の高いジヒドロテストステロンに変換される。

PDB image
1XF0 - Oxidoreductase
Crystal Structure Of Human 17beta-Hydroxysteroid Dehydrogenase Type 5 (Akr1c3) Complexed With Delta4- Androstene-3,17-Dione And Nadp
リガンド:ACT|ASD|NAP

この酵素反応を阻害する化合物は、ジヒドロステロンの生成を抑えるため、前立腺肥大や前立腺がんの治療に用いられる。また、この薬の「副作用」として抜け毛の抑制や発毛が見つかり、処方箋の必要な育毛剤として販売されている1)

3. 核内レセプターと結合~発現制御

 さらに核膜を通過して核内のアンドロゲンレセプターに結合することで、染色体上のさまざまな遺伝子の発現制御を行い、同化作用やアンドロゲン活性を促す。

PDB image
2AM9 - HormoneGROWTH FACTOR RECEPTOR
Crystal Structure Of Human Androgen Receptor Ligand Binding Domain In Complex With Testosterone
リガンド:DTT|GOL|SO4|TES
PDB image
2AMB - HormoneGROWTH FACTOR RECEPTOR
Crystal Structure Of Human Androgen Receptor Ligand Binding Domain In Complex With Tetrahydrogestrinone
リガンド:17H|DTT|EPE|GOL|SO4

References

  • D. H. Catlin (2006) Anabolic Steroids. Chapter 176 in the textbook: Endocrinology, edited by DeGroot and Jameson, Elsevier.
  • C. Saudan, N. Baume, N. Robinson, L. Avois, P. Mangin and M. Saugy (2006) Testosterone and Doping Control. Journal of Sports Medicine 40(supplement 1), i21-i24.

Links

1) 日本では2005年にプロペシアが厚労省認可を得た