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フェノール・クロロホルム抽出

溶液からタンパク質を取り除き、核酸(DNAやRNA)を抽出する方法。タンパク質がフェノールによって不溶化することを利用する。PCI抽出、あるいはフェノクロ呼ばれる。

方法

tube

  1. フェノール・クロロホルム溶液をDNA溶液に等量加え、激しくしんとうする。
  2. 遠心(r.t., 10000rpm, 5-15min)
  3. DNAは上清の水層に溶解しているので、水層を新しいチューブに移す。
    下層(有機層)との間の不溶物がタンパク質を多く含む沈殿。
  4. 上層と下層の間に沈殿が出なくなるまで抽出を繰り返す。(2-3回)
  5. 最後に、クロロホルムだけを加え、激しくしんとうし、遠心。
    (この操作で水層に溶けているフェノールをクロロホルム層へ移す)
  6. 上層を回収し、エタノール沈殿

フェノールについて

フェノールがタンパク質を変性させるので、残存のフェノールが次の酵素反応を阻害する。そのため、最後のクロロホルム抽出やエタノール沈殿は必ず必要となる。また、皮膚に触れると火傷するので注意する。(0070) また、フェノールは常温で固体なので、Tris飽和フェノールを調製するときは温浴で温めて融かす。いったんTris水溶液や水で飽和させてしまえば、常温でも固化しない。

DNAとRNAの扱い

DNAは化学的に安定だが、RNAは(酵素が存在しなくても)高pHで不安定な分子である(RNAの塩基触媒加水分解)。RNAの抽出には水飽和フェノール(弱酸性)を用いる。

廃液

有機溶媒、特に、クロロホルムのようなハロゲン溶媒の廃液は所定の廃棄方法に従う。

調製

DNA用フェノール・クロロホルム溶液

flask

  • Tris飽和フェノール溶液+CIA(1:1)

(最終濃度は、Tris/フェノール:クロロホルムイソアミルアルコール=25:24:1。)

  1. 温めて融解したフェノールに8-キノリノール(0.1% w/v)を加える。
  2. 等量の1M Tris(pH8.0)(1M TEでも良い)を加えて振とう。(1回目)
  3. 上清のTrisを除いたあと、もう一度Tris(pH8.0)を加えて振とう。(2回目)
  4. 上清のTrisの大部分を除く。(冷蔵保存)

RNA用フェノール・クロロホルム溶液

  • 水飽和フェノール溶液+CIA(1:1)

CIA

  • クロロホルム+イソアミルアルコール(24:1)

水飽和フェノール溶液

  • 溶解したフェノール + 1/4量のH2O

リンク

書籍