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pcr [2013/06/09 18:08] (現在)
ライン 1: ライン 1:
 +======PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)======
 +DNAやRNAの特定の部分を増幅する方法。プライマーと呼ばれる短いDNA断片を鋳型となる核酸にアニールし、ポリメラーゼで連鎖的に伸長する。微量の鋳型からでも増幅でき、反応が2時間程度と短時間であるため、遺伝子工学研究では必要不可欠な技術となっている。
 +
 +{{wp>​ja:​ポリメラーゼ連鎖反応}}
 +
 +=====PCRがかからない場合に=====
 +====PCRに必要な要素====
 +PCRの操作は簡単ですが、反応は多段階・多基質の複雑な反応です。酵素と基質が適切な濃度や純度で存在していることは大切です。
 +
 +^ポリメラーゼ|TaqやPfuなど。これが無ければ無反応。|
 +^鋳型DNA|純度は大丈夫?|
 +^dNTP|材料が無ければポリメラーゼも仕事がありません。|
 +^forwardプライマー|一応、ストック濃度の確認を。|
 +^reverseプライマー|fwd同様、濃度の確認。\\ 注文するときの向き(**5'​-**の位置)は大丈夫でしたか?|
 +
 +
 +====その他のチェック====
 +===ダイマーチェック===
 +自己ダイマーやループ形成、fwd/​revペアのダイマー形成が起きないかどうか市販のソフトなどでチェックします。
 +===プライミング部分の安定性===
 +PCRで用いるポリメラーゼは、プライマーの3'​末端で酵素/​DNA複合体を形成し、鎖延長をはじめます(プライミング)。3'​末端の安定性を上げるために3'​末端がGCペアであることが好ましいと言われています。
 +===マルチクローニングサイト===
 +プライマーが回文配列の多い部分を幅広くカバーしていると、プライマーダイマー形成の可能性が高くなります。どうしてもダイマーが増えてしまう場合は、わざとプライマー濃度を下げるのも手です。
 +
 +=====プライマーダイマー=====
 +PCR反応でのプライマーは鋳型DNAに比べて高濃度に存在するため、配列によってはプライマー同士でアニーリングしてしまいます。安定な二本鎖DNA(プライマーダイマー)が形成してしまうと、そのDNA断片だけが指数関数的に増幅されてしまい、目的のDNA断片が得られません。
 +
 +===分子間ダイマー形成===
 +鋳型となる核酸でなく、プライマー分子間でアニールしてしまうと、ポリメラーゼが3'​末端にヌクレオチドを繋げ、短い生成物が増幅してしまう。
 +
 +同じプライマー同士のダイマー形成\\ \\ 
 +{{bio:​primer_dimer_1.png|}}
 +
 +
 +FwdプライマーとRevプライマーのダイマー形成\\ \\ 
 +{{bio:​primer_dimer_2.png|}}
 +
 +
 +===分子内ヘアピンループ形成===
 +
 +{{bio:​primer_dimer_3.png|}}
 +
 +
 +この場合、目的のPCR反応に関与できない。また、配列によってはポリメラーゼが3'​末端に相補ヌクレオチドを繋げてしまい、ループ構造がさらに安定化してしまう。
 +
 +======リンク======
 +
 +  *[[https://​www.roche-applied-science.com/​sis/​rtpcr/​upl/​adc.jsp]]
 +
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 +
 +======書籍======
 +
 +  *{{amazon>​jp:​487962182X}}
 +  *{{amazon>​jp:​4897064120}}
 +  *{{amazon>​jp:​4897069211}}
 +
 +
 +
 +{{tag>​酵素 実験プロトコル}}